雲一つない、晴れ晴れとした空であった。今日は最高の日になりそうだ。
ただ一つの懸念事項を除いて。
今日は野外でビアパーティの日だ。次々に客がやってくる。反響は上々だ。
しかしながら、そのタイミングはやってきた。
「すいません、トイレはどこですか?」
きた。正直に伝えるしかない。
「すみません、トイレはないんです」
「え?」
「今朝、トイレが消えたんです」
ついに、伝えてしまった。
客から暴動が起きそうだ、と思ったそのときである。
「私にお任せを」
突如として現れたその男は、何らかの呪文を唱えると、突然、トイレが現れた。
彼は私たちがお礼を言う間もなく、去っていった。