2016/09/23

023 (晴れ、告白、消えたトイレ)<王道ファンタジー>

 


 雲一つない、晴れ晴れとした空であった。今日は最高の日になりそうだ。
 ただ一つの懸念事項を除いて。


 今日は野外でビアパーティの日だ。次々に客がやってくる。反響は上々だ。
 しかしながら、そのタイミングはやってきた。


「すいません、トイレはどこですか?」


 きた。正直に伝えるしかない。


「すみません、トイレはないんです」
「え?」
「今朝、トイレが消えたんです」


 ついに、伝えてしまった。
 客から暴動が起きそうだ、と思ったそのときである。


「私にお任せを」


 突如として現れたその男は、何らかの呪文を唱えると、突然、トイレが現れた。
 彼は私たちがお礼を言う間もなく、去っていった。